広島高等裁判所松江支部 昭和27年(う)249号 判決
凡そ、公務執行妨害罪の構成要件たる暴行は、公務員の職務の執行に当り、その執行を妨害するに足る暴行である以上、それが直接公務員の身体に対するものであると否とは問うところではない。本件において、原判示第二の事実によれば「被告人金応模は、鈴木事務官等が原判示第一の如く差押に係る密造酒等をリヤカーに積込に従事していた際、偶々同所に来合せ相被告人宋浮成の犯行を目撃するや、同人同様右積込を妨害せんがため、右リヤカーに積み込んであつた密造清酒入り一升壜二本、焼酎入り一升壜一本を取り出し、路面に投げ付けて破壊し該清酒を流出せしめ以て同事務官等の公務の執行を妨害した」というのであつて、右暴行は間接には同事務官等に対するものということができる。されば、被告人金応模の右暴行を以て公務執行妨害罪に問擬せる原判決は正当であつて、原判決には、所論にいうが如き法令適用の誤はない論旨は採用の限りでない。